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絵カードスケジュールの使い方:家庭・園・学校での始め方とコツ

絵カードスケジュールの使い方を手順で解説。実物・写真・絵の選び方、枚数、まず→つぎボード、予定の変更、100均での作り方まで。無料で印刷できます。

絵カードスケジュールの使い方:家庭・園・学校での始め方とコツ

結論から:絵カードスケジュールは、お子さんがわかる形(実物・写真・絵・文字)を選び、最初は2〜3枚から始めます。カードは目の高さに、上から下へ(または左から右へ)並べましょう。活動を切り替えるたびに「スケジュールを見てね」と合図し、お子さんが次のカードを取って活動し、終わったらカードを「おわり」の箱に入れます。手助けは後ろから静かに、約束した「つぎ」は必ず守り、予定の変更はスケジュールの上で見せます。そして減らしていくのは大人の声かけで、スケジュールそのものではありません。

この流れは、視覚支援を研究・実践している機関の考え方に沿っています。米国の全国レビュー NCAEP は、視覚支援を自閉スペクトラム症の子どもと若者のための28の「エビデンスに基づく実践」のひとつに挙げ(NCAEP 2020年報告)、ノースカロライナ大学の AFIRM は、0〜2歳の早期支援から19〜22歳の若者まで効果があるとしています(AFIRM)。日本でも、長野県総合教育センターの手引が、スケジュール(時間の構造化)で「いつ何をすればよいのか」がわかると見通しがもてて不安が減ると説明しています(長野県総合教育センター 手引 第Ⅶ章)。この記事では、国内の特別支援教育の資料と、海外の自閉症センターや英国NHSのアドバイスをひとつにまとめ、家庭でも保育園・幼稚園・学校でもそのまま使える手順にしました。更新日:2026-10-18

絵カードスケジュールとは?効果はある?

絵カードスケジュールは、一日の流れや生活の手順を、絵や写真のカードで順番に見せる視覚支援です。NCAEP は視覚支援を、大人がさらに促さなくても本人が望ましい行動やスキルに取り組めるよう支える「目で見える表示」と定義しています。つまり「つぎは何?」をスケジュールが教えてくれるので、大人が何度も言わなくて済むのです。

言葉は話したそばから消えてしまいますが、カードは残るので何度でも見て確かめられます。神奈川県立湘南支援学校の通信も、視覚的にスケジュールを示すと見通しがもて、言葉のように消えないので安心材料になると紹介しています(県立湘南支援学校 通信 No.101)。

特に役立つのは切り替えの場面です。公園から帰る、遊びをやめておふろに入る、登園・登校の準備をする、など。自閉スペクトラム症の子によく使われますが、ADHDの子や多くの幼児にも役立ちます。米国の Child Mind Institute も、貼り出したスケジュールのような目で見る手がかりは、特にADHDや自閉症の子の助けになるとしています(Child Mind Institute)。

AFIRM は、スケジュールを作るときの選択を5つに分けています。長野県の手引も同じように、使う物・長さ・やり方(ボード式で固定するか、カード式で持ち運ぶか)を一人ひとりに合わせて決めるとしています。ひとつずつ意識して決めれば、たいていのつまずきは防げます。

決めること選択肢決め方
何で見せるか実物、写真、絵(シンボル)、文字お子さんが確実にわかる中で、いちばん抽象的なもの
長さ1枚、2枚(まず→つぎ)、3〜4枚、半日、1日思っているより短めから
向き上から下へ/左から右へ壁に貼るなら上から下がいちばん見やすい
終わったカード活動の場所へ持っていく、裏返す、「おわり」の箱に入れる、チェックするお子さん自身にやってもらう
置き場所大人が持っていく、壁に固定、持ち運べるファイル家の日課は固定、おでかけは持ち運び

絵カードスケジュールの使い方:実物・写真・絵・文字の選び方

同じ「はみがき」を4つのレベルで表したスケジュール:本物の歯ブラシ、写真、絵(シンボル)、文字

長野県の手引は、わかりやすさの段階を「実物→写真→シンボル→文字」と示しています。米国の Illinois Early Learning も、具体的なものから順に、実物・写真・線画・文字を挙げています(Illinois Early Learning)。選ぶ基準は、調子のいい日ではなく調子の悪い日でもわかるレベルです。

レベル「おふろ」の例向いている子
実物おふろの前にタオルを手渡すとても小さい子、まだ絵と物を結びつけられない子
写真自宅の浴室の写真本物はわかるけれど、イラストはまだ難しい子
絵(シンボル)おふろのイラスト3歳ごろからの多くの子、園やクラス全体
文字「おふろ」と書いたリスト字が読める子、年長の子、思春期の子

かんたんな見分け方:インディアナ自閉症リソースセンター(IRCA)は、かんたんな絵合わせゲームのように、絵や写真を安定して合わせられるなら、絵のスケジュールに進める目安になるとしています(IRCA 保護者向けガイド)。まだ合わせられないなら実物から始めましょう。AFIRM の幼児向けガイドは、夕ごはんにはスプーン、おふろにはタオル、という家庭での例を挙げています。

写真を使うときには注意点もあります。長野県の手引によると、写真はとてもリアルなので、隅に写っている関係のない物に目が行ってしまうことがあります。背景を片づけて、伝えたい物だけを大きく撮りましょう。

レベルは混ぜてもかまいません。通園バスだけ本物の写真、あとはイラスト、という組み合わせでも大丈夫です。無料の絵カードスケジュールメーカーでは、200個のイラストから選ぶ、文字カードを入力する、自分の写真を追加する、のどれでも作れます。写真はブラウザの中で縮小され、アップロードされません。

絵カードスケジュールは何枚から?長さの目安

公式に決まった枚数はありません。ただ、どの資料も方向は同じで、少なく始めることです。長野県の手引は、「次に何があるかわかる→2〜3先の予定までわかる→半日の予定→一日の予定」という順に長くしていく流れを示しています。高知市の資料も、子どもが理解できる枚数で、1枚からでもよいとしています(高知市「スケジュールボードの作り方」)。英国では、NHS Borders の作業療法士が「2〜3の日課」から始めるよう提案し(NHS Borders)、サフォーク州の知的障害支援チームは最初は1〜2枚、多くても8枚まで(Suffolk County Council)、自治体の BCP Council は、幼児の施設では一度に見せるのは6枚までとしています(BCP Council)。

段階見せる枚数例
最初の1週間2枚(まず→つぎ)まずくつをはく、つぎに公園
慣れてきたら3〜4枚トイレ、はみがき、きがえ、朝ごはん
自信がついたら5〜6枚朝の支度ぜんぶ、帰ってからの流れ
年長の子・字が読める子半日〜1日、8枚くらいまで学校の一日をリストで

IRCA のアドバイスは覚えておく価値があります。お子さんにできそうだと思うより簡単にしておけば、本当に調子の悪い日でも使える、というものです。手順はあとからいつでも足せます。

絵カードスケジュールの作り方:7つのステップ

  1. 一日の中で大変な場面をひとつ選ぶ。 登園・登校前の朝、寝る前、家を出るときなどがよくある出発点です。最初の週から一日ぜんぶを作る必要はありません。
  2. 実際にやっている順番で手順を書き出す。 一度その流れを通してみて、ひとつずつメモします。カードの名前には、ふだん口にしている言葉をそのまま使います。
  3. 手順ごとに絵を1枚決めて、変えない。 Vanderbilt 大学の TRIAD は、同じ活動には毎回同じ絵を使うようすすめています(Vanderbilt TRIAD)。
  4. 印刷して組み立てる。 最初の活動をいちばん上に、残りをその下に並べます。ニューメキシコ大学の資料も同じ並べ方です(UNM)。高知市の資料のように、カードはラミネートするかカバーテープを貼ると長持ちし、裏にマジックテープかマグネットシートを貼ればボードに付け外しできます。終わったカードを入れるポケットや箱(フィニッシュボックス)も用意します。
  5. その日課をする場所に貼る。 BCP Council は、縦のスケジュールを子どもの目の高さに貼るよう助言しています。朝の支度なら洗面所や玄関のそばがよいでしょう。
  6. 落ち着いている日に紹介する。 いっしょに見て、カードの名前を一枚ずつ言います。NHS Borders は、最初の活動の前にスケジュールを確認することをすすめています。
  7. 毎回、どの大人も使う。 AFIRM は、視覚支援を一貫して、場面を問わず使うことを重視しています。長野県の手引も、変更のない日でも必ずスケジュールを伝えるよう書いています。調子のいい日だけ使っても身につきません。

ステップ3と4をいちばん早く済ませるなら、絵カードスケジュールメーカーを開き、朝の支度表などのひな形を選んで、いらない手順を消し、A4で縦のスケジュール表を印刷します。

毎日の使い方:「スケジュールを見る」の4ステップ

毎日のくり返し:スケジュールを見る、次のカードを取る、活動をする、カードを「おわり」ポケットに入れる

スケジュールが役に立つのは、見ることが習慣になってからです。活動を切り替えるたびに、同じ4つの流れをくり返します。

  1. 合図:「スケジュールを見る」カードを渡すか、「スケジュール見てね」と一度だけ言います。IRCA もこうした合図カードをすすめています。
  2. 取る:お子さんがスケジュールのところへ行き、次のカードを取る、指さす、またはめくります。Vanderbilt は、カードを動かすのはお子さんだけにするよう助言しています。
  3. やる:カードを活動の場所へ持っていき(またはボードに残したまま)、活動をします。
  4. おわり:カードを「おわり」の箱に入れる、裏返す、またはチェックします。NHS のサイト Healthier Together も、終わったカードを入れる箱やトレイをスケジュールの一部に挙げています(Healthier Together)。

湘南支援学校では、子どもが自分のカードを教室前のホワイトボードに貼り、終わったらフィニッシュボックスに入れ、次のカードを取る、というサイクルを作っています。同校の通信によると、これがひとりでできるようになると「〇〇してね、次はこれだよ」とわざわざ声をかけなくてもよくなり、先生の負担も減るそうです。

手助けのしかた:AFIRM も IRCA も、前から引っぱるのではなく、お子さんの後ろに立って手を添えるよう助言しています。お子さんが大人ではなく、スケジュールを見るようにするためです。言葉は短くし、手助けはできるだけ早く減らしていきます(AFIRM)。2週間ほどたっても進歩が見られなければ、枚数を減らすか、より具体的な形(写真や実物)にするよう IRCA はすすめています。

チェック欄のある表でもかまいません。朝の支度表は、絵の横に月〜金のチェック欄を印刷できます。ラミネートしてホワイトボード用マーカーでチェックすれば、ポケットの代わりになり、毎週使い回せます。

まず→つぎボードの使い方

まず→つぎボード(「いま→つぎ」ボードとも呼ばれます)は、絵が2枚だけのいちばん短いスケジュールです。まずの欄に気が進まないこと、つぎの欄にお子さんが楽しみにしていることを置きます。声かけは短く、「まず、くつ。つぎ、公園」。ふだんの「〇〇したら△△」という言い方とも相性のいい形です。

いちばん大切なルールは、「つぎ」を必ず実行することです。Vanderbilt 大学の Families First は、手助けが必要だったとしても必ずごほうびを渡すこと、そうしないとお子さんがボードを信用しなくなるかもしれない、とはっきり書いています(Vanderbilt Families First)。ほかのコツは次のとおりです。

  • 最初は「まず」を短く、確実にできることにする。
  • 指示を何度もくり返さない。代わりにボードを指さす。
  • 「まず」が終わったらカードを外して「おわり」に入れる。
  • まず→つぎが楽にできるようになったら、3〜4枚のスケジュールに進む。

まず→つぎボードのひな形なら、「おわり」欄つきのボードが1分で印刷できます。

予定の変更・苦手な予定・選択への対応

毎日同じ日はありません。そして予定が変わるときこそ、スケジュールがいちばん役に立ちます。IRCA は、思いがけないことが起きたときこそ、すべての活動をきちんとスケジュールに載せ続けるよう助言しています。

  • カードを差し替える:長野県の手引には、「今日はお母さんが迎えに来るのでスクールバスに乗らないよ」と言葉で伝えるより、スケジュールのバスの写真をお母さんの車と顔写真に替えるほうが理解し納得できる子がいる、という例があります。同じ手引は、「変更のあるときだけ伝えればいい」では変更がききにくくなるとして、いつもと同じ日もスケジュールを伝えるよう書いています。
  • 苦手な予定には「?」カード:歯科検診のように、早めに知らせるとかえって不安定になる子には、早くから伝えずにスケジュールに「?」を示すとよいかもしれない、と長野県の手引にあります。「?」は「いつもと違う何かがある」という合図として伝わります。
  • 「おっと」カード:Healthier Together は、予定外のことを知らせるカードを用意しておくことをすすめています。変更のある位置に置いてから、新しい活動を見せます。
  • 中止になった活動:サフォーク州のチームは、ただ外すのではなく、カードを裏返すか×をつけるよう提案しています。
  • 変更のお知らせ:AFIRM には「〇〇のかわりに△△をします」と伝える「Change Alert」のひな形があります。カード2枚と文字カードで作れます。
  • 選ぶ欄:自由時間に2枚のカードを見せて、お子さんに1枚選んでもらいます。自分で選ぶと納得しやすくなります。

長野県の手引は、スケジュールに慣れた子が嫌なカードを外し、好きなことに入れ替えようとするのを、意思表示へ進む大事なきっかけとしています。その通りにする必要はありませんが、「〇〇したいんだね」と気持ちを受け止めましょう。

湘南支援学校の通信にあった「カードは魔法ではない」という言葉も覚えておきたいところです。検診が嫌いな子は、カードで予定がわかっていても嫌なものは嫌。それでも、検診が終わってカードをフィニッシュボックスに入れたら、今日はもう検診がないとわかって、いつものにこにこ顔に戻ったそうです。スケジュールは「この後にまだ嫌なことが待っているか」を確かめる道具でもあるのです。

カードを動かすなら、マジックテープ用ボード(空き枠のボード)と、切り取りカードのシートを印刷しましょう。病院、来客、雨、「?」などの予備カードを封筒に入れて、ボードの裏にとっておくと便利です。

家庭・保育園・学校での絵カードスケジュール

家庭保育園・幼稚園・学校
ふつうの長さ日課をひとつ:朝、帰ってから、寝る前半日〜1日(登園、朝の会、給食、お昼寝、降園など)
形自宅の物の写真がよく合うクラス共通の絵(シンボル)
場所その日課をする所(洗面所、玄関)前にクラス全体のスケジュール、必要なら個別のスケジュールも
更新する人保護者(カードを動かすのはお子さん)担任や補助の先生が、朝のうちに
気をつけること大人によって言葉がちがう一度に見せる絵が多すぎる

クラス全体の視覚的なスケジュールは、思ったより多くの子の役に立ちます。通常学級の児童109人を対象にした研究では、多くの子が視覚的な時間割を役立つと感じ、作り方にもっと意見を言いたいと答えていました(Rutherford ほか, 2020)。それでも自閉スペクトラム症の子には、枚数を減らした個別のスケジュールを机に置くことが必要な場合もあります。長野県の手引は、黒板の情報も、子どもに必要なものと先生に必要なものが混ざらないよう整理しておきたい、としています。

できれば、家と園・学校で同じ絵、同じ言葉を使いましょう。使っているカードを担任の先生や特別支援教育コーディネーターに見せると、話が早く進みます。学校の日のひな形で印刷したものを、ランドセルに入れて持っていくこともできます。

ADHDの子と小さな子への使い方

ADHD:ADHDの子の多くは、やることはわかっていても順番を見失いがちです。英国レスターシャーの NHS の家族向け資料は、特に小さな子には絵が言葉よりずっと伝わるとして、絵をチェックリストの形で表に貼り、チェックしていく方法をすすめています(Leicestershire Partnership NHS)。ADHDの子には、カードよりも5〜8手順のチェック表に「〇時までに」を書き添えるほうが合うことが多いです。

小さな子(2〜3歳ごろ):絵は2〜3枚にして大きく、実物か写真を使います。テキサスA&M大学の Project NEST は、「おわり」の絵を用意し、お子さんにカードを指さす・めくる・外すのどれかをしてもらうようすすめています。うまくいかないときは、写真や大きめの絵を試すとよいそうです(Project NEST)。最初のスケジュールには寝る前のひな形がおすすめです。おふろ、パジャマ、はみがき、絵本、ねる。保育園の生活の流れ(登園、あそび、給食、お昼寝、おやつ、降園)も、2〜3枚ずつ区切って見せれば同じように使えます。

絵カードスケジュールのよくある失敗と対策

失敗なぜうまくいかない?対策
初日から一日ぜんぶ情報が多すぎる2〜3枚から(長野県、NHS Borders、Suffolk)
「つぎ」を守らないボードを信用しなくなる手助けしても必ず実行する(Vanderbilt)
大人がカードを動かすお子さんが受け身のまま動かす・めくる・チェックするのはお子さん
前から引っぱる大人を見て、スケジュールを見ない後ろから、言葉少なに(AFIRM、IRCA)
同じ手順なのに絵を変える覚え直しになる1つの活動に1枚の絵を、いつも
お子さんがわからない絵スケジュールの意味がなくなる絵合わせを確認し、写真や実物に(IRCA)
変更を載せない不意打ちで流れが崩れるカードを差し替える、「?」や「おっと」カード
変更がある日だけ使うかえって変更に弱くなるいつもと同じ日も毎日見せる(長野県)
家と学校でやり方がちがうできることが広がらないどこでも同じ絵と言葉(AFIRM)
完璧なものを待ついつまでも始まらないふつうの紙とテープで十分(Child Mind Institute)

最後の点について、Child Mind Institute は、スケジュールは凝ったものでなくてよく、ラミネートやマジックテープも必須ではないとしています(Child Mind Institute)。ラミネートや透明テープは、カードを長持ちさせるためのものと考えましょう。

100均でそろう材料とカードのサイズ

ボードやカードの材料は、ほとんど100円ショップでそろいます。

  • ラミネートフィルム(またはカバーテープ、透明テープ):カードが長持ちします。
  • マジックテープ(面ファスナー):ボードにはどちらか一方、カードにはもう一方を貼ります。
  • マグネットシート:冷蔵庫やホワイトボード、スチールのドアに。ダイソーでは、裏に粘着剤のついた「粘着付マグネットシート」など、110円のマグネットシートが売られています(@DIME)。
  • ホワイトボード、封筒、クリップ:ボードの土台や、予備カードの保管に。

高知市の資料は、台紙の素材(ボール紙、牛乳パック、プラスチックダンボール、厚紙)を子どもの手先の器用さに合わせ、不器用な子には厚みのある物を選ぶよう書いています。さらに、「今の活動」がわかるように目印や枠をつけ、終わったカードは隠すか外すとよいとしています。

カードは何cmで印刷する? 公式の規格はありません。私たちのおすすめは、壁に貼るスケジュールなら5.1 cm、小さな子や写真なら6.4 cmか7.6 cmです。持ち運び用の小さなファイルや手帳には3.8 cmが合い、市販の絵カードによくある3.5〜4 cmくらいの大きさにも近くなります。カードが枠にぴったり合うよう、「実際のサイズ(100%)」で印刷してください。160〜200 g の厚手の紙なら丈夫です。

絵カードスケジュールのやめ方:減らすのはサポート

IRCA は、スケジュールをなくしてしまいたくなる気持ちをこらえるよう注意しています。大人もカレンダーややることリストに頼っていますし、子どもも同じです。減らしていくのは大人の手助け、その次に形です。

  1. 手助けを減らす:手を添える→指さす→スケジュールをちらっと見るだけ。
  2. 枚数を減らす:まだ声かけが必要な手順だけを残します。
  3. より抽象的な形へ:実物から写真、写真から絵、絵から文字へ。長野県の手引は、文字を少しずつ大きくして文字のスケジュールへの移行を見すえることや、1週間の流れを左から右へ並べておくとカレンダーへ移りやすいことも紹介しています。
  4. 大人と同じ形へ:年長の子には文字のチェックリスト、手帳、スマートフォンのリマインダー。IRCA も、手帳や電子機器への移行を提案しています。

遠足、入学や進級、病院など、初めてのことや不安な日のために、カードはいくつか取っておきましょう。そんな日こそスケジュールが力を発揮します。

絵カードスケジュール よくある質問

何歳から始められますか? AFIRM は、0〜2歳の早期支援から若者まで効果があるとしています。小さな子なら、実物か大きな写真と、2枚だけのまず→つぎボードから始めましょう。

縦(上から下)と横(左から右)、どちらがいいですか? どちらでも大丈夫です。長野県の手引も、並べ方は「上から下へ,左から右へが基本」としています。壁に貼るなら上から下が見やすく、机の上や字が読める子には左から右が向いています。1週間の予定は左から右にしておくと、カレンダーに移りやすくなります。

ラミネートやマジックテープは必要ですか? 必須ではありません。カードが動かしやすく長持ちしますが、Child Mind Institute はラミネートやマジックテープがなくてもよいとしています。チェック欄のある表、透明テープ、ポケットでも使えます。

100均で作るなら何を買えばいいですか? ラミネートフィルム、マグネットシートかマジックテープ、小さなホワイトボードがあれば十分です。カードは印刷して切り取ってから、ラミネートして裏にテープやシートを貼りましょう。

カードを全部はがしてしまいます。どうしたら? 見せるカードを減らし(次の2枚だけ)、残りは手の届かない所に置きます。後ろから手を添えて「1枚だけ取る」練習をしましょう。次のカードが好きなことになる回数を増やすのも効果的です。

効果が出るまでどのくらいかかりますか? お子さんによってちがいます。IRCA は、2週間ほどで進歩が見られなければ、枚数を減らすか、より具体的な絵にするなど、何かを変えてみるようすすめています。

自閉症の子だけのものですか? いいえ。自閉スペクトラム症の子へのエビデンスに基づく支援ですが、ADHDの子、幼児、クラス全体にも役立ちます。大人がカレンダーを使うのも同じ考え方です。

AIにスケジュール作りを相談するには? 年齢、日課、お子さんがわかる形を伝えます。例:「写真はわかるけれどイラストはまだ難しい5歳の自閉スペクトラム症の子のために、朝の支度を4枚の絵カードスケジュールにして」。できた手順を、自分の写真を使って印刷しましょう。


さっそく作ってみましょう。無料の絵カードスケジュールメーカーなら、200個のイラストか自分の写真で、縦のスケジュール表、まず→つぎボード、マジックテープ用の切り取りカードを印刷できます。登録不要・透かしなしで、A4にも対応しています。登校前の朝には、月〜金のチェック欄つきの朝の支度表から始めるのがおすすめです。絵カードスケジュールの使い方のポイントは3つ。小さく始める、カードはお子さんが動かす、スケジュールの約束は必ず守る。お子さんに合わせた調整は、言語聴覚士(ST)、作業療法士(OT)、公認心理師、発達支援センター、担任の先生に相談してみてください。